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ギャラリー・ニエプスメンバー平良博義さんの展示

現在新宿ニコンサロンで開催中の平良博義 写真展「深海」を見に行ってきました。平良君は僕が昨年まで所属していたギャラリー・ニエプスのメンバーで一緒に飲みに行って音楽や写真の話をする気の合うメンバーの1人なのですが、展示が素晴らしかったので1人でも多くの人に見てもらいたいなと思い、ここに綴っております。お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。 ニコンサロンがある新宿エルタワー28階から見る新宿の街もいいですよ〜。

https://www.nikon-image.com/activity/exhibition/thegallery/events/2022/20220906_ns.html

以下、ステートメントです。

2013年当時25歳、車椅子の母の介護をしながら百貨店で接客業のアルバイトをして生計を立てていた。アルバイトで稼いだ金の一部は大学の学費の為に借りた奨学金の返済に充て、残りはカメラのフィルムや印画紙、憂さ晴らしの為の酒代に消えていった。時間や金に追われるような日々の中で私を取り巻く環境に息苦しさを感じ、どこかへ逃げ出したい気持ちで溢れていた。どこか遠く静かな場所へ、一人きりで旅に出かけたいと、思う存分写真を撮りにいきたいと考えていた。
この作品は主に冬のノルウェーの旅で撮影した写真。田舎町を拠点として明るい内は外に出掛け、現地の人々と交流しながら写真を撮り旅を楽しんでいた。しかし冬のノルウェーは極夜で日照時間は限られている為に撮影できる時間は短く、暗くなると宿に戻り物思いに耽っていた。長い夜の間は何故か日本にいる時のことを思い出し苦しくなる。
ノルウェーのフィヨルドは地形の特徴から日光が遮られ、深海と似たような環境を形成している。私はこのノルウェーの地で光のない深海を彷徨っていた。そして水面から感じられる振動から、かすかに聴こえてくる人々の声に耳を澄ましていた。この作品は他ならぬ自分自身の生への旅の記録である。
(平良博義)

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